農友地区が熱く燃えた ― 山の神奉納相撲
9月12日、土俵に神事の声
先日ご案内した山の神奉納相撲が、9月12日、野村小学校の土俵で行われました。
始まりは、神事です。
神主さんが祝詞(のりと)を唱え、そのあと関係者による玉串奉奠(たまぐしほうてん)。五穀豊穣・身体健全を願う奉納相撲は、まず神さまに奉げることから始まります。
土俵脇には、「大関」「関脇」「小結」と墨書きされた青竹が並んでいました。紙垂(しで)を結んだ竹。
今日の三役を務める力士たちに贈られるものです。
小さな体で、一生懸命
神事が終わると、いよいよ取組。
最初は——幼稚園以下の部です。
小さな体で、まわしを締めて、土俵に上がる。仕切りも立ち合いもまだおぼつかないけれど、一生懸命、ぶつかっていく。押されて泣く子、勝ってきょとんとする子。まわりの大人たちから、笑いと拍手が起こります。
そこから小学1年生、2年生——と学年が上がるにつれて、取組は目に見えて力強くなっていきます。
そして中学生になると、もう大人顔負け。体のぶつかる音が変わります。
稚児の土俵入り、中三役、そして中入り
中学生の取組が終わると、中三役(なかさんやく)。前半の締めくくりとして、三役の取組が行われます。
そして中三役の前には、稚児(ちご)の土俵入りもありました。
土俵に上がるのは、小さな子どもたち。この土俵が、次の世代へ受け継がれていく——そのことを感じさせてくれる時間です。
そのあとは中入り(なかいり)——ひと休みの時間です。
ここで、勧進元(かんじんもと)から力士たちへ、お神酒と力飯(ちからめし)がふるまわれました。神さまに奉げたお神酒と、力をつけるためのごはん。土俵に上がる者をねぎらう、昔からの習わしです。
その間には、相撲甚句(すもうじんく)も。独特の節回しで唄われる相撲の唄が、秋の夕暮れに響きます。
初めての「手押し相撲」
中入り後には、ちょっと変わった催しがありました。
手押し相撲です。

向かい合って、手のひらだけで押し合う。足が動いたら負け。力だけでなく、駆け引きと間合いがものを言う勝負です。
今回が初めての試みでしたが——これが大いに盛り上がりました。 相撲を取らない人も参加でき、見ている側も声が出る。続けてほしい新しい名物になりそうです。
高校生、一般、そして末三役

後半は、高校生の取組、そして一般の取組。
日が暮れ、明かりに照らされた土俵で、激しい取組が続きます。山を背にしたこの土俵で、若い衆が真剣にぶつかり合う。
そして最後は、末三役(すえさんやく)。

三役の三人が土俵に並び、揃って四股を踏む——写真の一枚が、その瞬間です。夜の土俵に、三人の足が同時に高く上がる。この日いちばんの見せ場でした。
大関戦——行司の「待った」
そして、結びの大関戦。
両者が立ち合おうとした、その時。
行司が「待った」をかけました。
そして——来年の開催を宣言したのです。

勝負は、来年に預ける。 つまり——来年も、この土俵で相撲をやるという約束。結びの一番を決着させずに、次の年へつなぐ。これほど粋な締めくくりが、あるでしょうか。
農友地区の、団結力
土俵のまわりには、キッチンカーや出店が並び、生ビール片手に観戦する人、かき氷を手に走り回る子どもたち。さながら、お祭りでした。
この一日を支えたのは、主催の農友地区の皆さんです。
土俵を整え、青竹を切り、神事を手配し、出店を集め、協賛を募り、初めての手押し相撲を企画する。一つの地区が、これだけのことをやり遂げる。
農友地区の団結力の素晴らしさを、あらためて感じました。
来年も、この土俵で。勝負の続きを、楽しみにしています。
ZEROSPHERE / ゼロの番人