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観光 / Tourism
2026.07.14 — 観光

野村四国八十八カ所 ― 山あい歩いて巡る、小さなお遍路

歩いて巡る、野村の"ミニお遍路"

四国といえば、お遍路さん。実は野村にも、四国八十八カ所を写した小さな霊場——野村四国八十八カ所(のむらしこくはちじゅうはちかしょ)があります。西予市指定の有形文化財(民俗文化財)で、山あいの道に沿って石仏がずらりと安置されています。本場を一周するのは大変でも、ここなら歩いて巡れる。地元の祈りが積み重なった、身近なお遍路道です。

約180年前、ビッドル来航の翌年に

開基は弘化4年(1847年)。ちょうど、アメリカの軍人ビッドルが浦賀に来航した翌年にあたります。ペリー来航(1853年)よりも前——日本が大きく揺れ動く、その入り口の時代です。

その後、慶応4年(1868年)に仏像が追加で奉納され、明治期にも手が加えられて、いまの姿になりました。

遠く大阪からも寄せられた祈り

この霊場は、村人たちが「お四国参り」をした人々の話をもとに作ったものと伝わります。神仏一体の時代だったため、寺の名など細部には曖昧さも残りますが、仏像を奉納した人々の広がりには目を見張ります。町内はもちろん、立間村・吉田村、遠くは西条や大阪から。石仏の一体一体に、当時の信仰の厚さと、人や物の交流のあとがしのばれます。

山あり谷あり、巨石の上のお地蔵さん

第一番札所は慈眼堂から始まり、道中は山あり谷あり、岩場あり。自然と調和した聖域に安置された石仏が、素朴な表情で巡る人を迎えてくれます。結願となる第八十八番は、白木ヶ城主の菩提寺として知られる大泉寺です。

ハイキングコースとしても親しまれ、かつては小学校の遠足コースにもなっていました。巨石の上にもお地蔵さんがあり、なかなかスリリング。見晴らしのよい高台からは、野村の田園と山並みが一望できます。

巨石の下に眠る、縄文の記憶 ― タカシロ岩陰遺跡

そしてこの霊場、実は足もとに縄文時代が眠っています。巨石の陰にあるタカシロ岩陰遺跡です。

平成14年(2002年)から発掘調査が行われ、縄文時代にこの岩陰で石器づくりが行われていたことが明らかになりました。数千年前の人の営みの上に、約180年前のお遍路道が重なり、今も人が歩いている——。縄文人と弘法大師と、そして私たち。同じ場所に立つ時間の層の厚さに、思わず手を合わせたくなります。

祈りと自然と、はるかな歴史。ちょっと歩いてみたくなりませんか。

ZEROSPHERE / ゼロの番人



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