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観光 / Tourism
2026.07.17 — 観光

呉服店が、絹のお菓子屋になった ― スイーツ工房絹

看板は、そのまま「呉服 進藤」

野村の町を歩いていると、思わず足を止める建物があります。風格のある木造の店構え。軒には瓦がのり、太い一枚板に「呉服 京都 進藤」の文字。どう見ても、老舗の呉服店です。

けれど、ここは今——お菓子屋さんです。その名も、スイーツ工房 絹(きぬ)

絹織物を売っていた店が、「絹」という名のお菓子屋になった。 そう聞いただけで、もう物語が始まっています。

「シルクとミルクのまち」から

かつて野村は、「シルクとミルクのまち」と呼ばれていました。伊予生糸で知られる養蚕と、酪農。二つの白い恵みが、この町を支えていたのです。

けれど時代とともに、町は少しずつ元気を失っていきました。呉服店という家業の場所を前に、店主は考えます。この場所で、この町を、もう一度元気にできないだろうか——。

そうして選んだのが、お菓子でした。お菓子で人を幸せにしたい、感動を届けたい。その思いが、この建物に新しい命を吹き込みました。

一歩なかへ入ると、格子の建具や梁はそのままに、明るく心地よい空間に生まれ変わっています。古いものを壊さず、活かす。その姿勢が、店全体からじんわり伝わってきます。

地元の農家から、直接

スイーツ工房絹のもう一つの芯は、素材です。

信頼できる地元の農家さんから、直接仕入れる。いちご、ブルーベリー、かぼちゃ、お茶、はちみつ——地元産のフルーツ・野菜・乳製品にこだわります。「シルクとミルクのまち」の店らしく、この土地の恵みで、この土地のお菓子をつくる

レモンの効いたチーズタルト、ピスタチオをのせた鮮やかなマカロン。どれも丁寧で、そして華やかです。オーダーケーキも受けてくれます。

看板商品は「きぬろーる」

そして、いちばんのおすすめが——その名も「きぬろーる」

  • 甘さ控えめの、シルク入りクリーム
  • それを、野村産の桑の葉パウダーを練り込んだうぐいす色のスポンジでくるむ
  • アクセントに、黄色いみかんのガナッシュ

切り口を見てください。桑の葉のやわらかな緑、白いシルククリーム、そこに散る黄色のみかん。まるで、この町の風景をそのまま巻き込んだような一本です。絹と、桑と、柑橘。野村と愛媛が、ひと切れに収まっています。

お店の情報

  • 住所:〒797-1212 愛媛県西予市野村町野村14-10
  • 営業時間:12:00〜19:00(カフェは17:00まで)
  • 定休日:毎週月曜日、第1・第3日曜日

野村へお越しの際は、ぜひあの「進藤」の看板を探してみてください。絹の町の物語が、甘い形で続いている場所です。

ZEROSPHERE / ゼロの番人

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