箱わなと、くくりわな ― わな猟の二つの道具
以前、私が「わな猟免許」を取った話を書きました。じつは私が持っているのは、このわな免許だけ。銃は使いません。
そして私の狩猟は、趣味ではなく、田畑を荒らす有害鳥獣を駆除することが目的です。だからおのずと、使う道具は二つに絞られます。「箱わな」と「くくりわな」です。
今回は、この二つのわなについて――それぞれの、いいところと難しいところを、お話しします。
箱わな ― どこでも、まとめて
まずは箱わな。金網でできた大きな箱の中に餌を置き、入ってきた獣を閉じ込める、いわば"檻"のようなわなです。
<メリット>
・スペースさえあれば、どこにでも仕掛けられる
・群れで入れば、集団を一網打尽にできる
・獣を生きたまま捕らえられる(生け捕り)
<デメリット>
・大がかりな仕掛けなので、賢い獣には警戒されやすい
・場所によっては、捕れた獣の取り込み(回収)がとても大変
・長いあいだ設置しておく必要があり、時間がかかる
くくりわな ― 通り道を、狙い撃ち
もう一つが、くくりわな。獣が通る道に仕掛けておき、足を"くくって"捕らえる、ばね仕掛けのわなです。
<メリット>
・獣の通り道を見つけて、ピンポイントで仕掛けられる
・うまくいけば、短期間での捕獲が見込める
<デメリット>
・捕れた獣の取り込みが大変
・仕掛けたら、頻繁な見回りが欠かせない
つまり、こういうこと
箱わなは「広く、まとめて、じっくり」。くくりわなは「狙って、素早く、こまめに」。
性格の違う二つのわなを、場所や獣の様子に合わせて使い分ける。これが、わな猟のおもしろさであり、難しさでもあります。
どちらも、「生きて」捕らえる
そして、この二つに共通する、大切な点があります。どちらも、獣を生きたまま捕らえるということです。
生きて捕らえたその命を、きちんと、ていねいに解体すれば――驚くほどおいしい肉になります。畑を荒らす"やっかいもの"が、山の恵みへと姿を変える瞬間です。
守るために捕り、いただくために生かす。わなは、その入口に立つ道具なのだと思います。
次回予告
というわけで、次の狩猟の記事では、いよいよ「おいしいジビエ」について書きたいと思います。わなで捕らえた命が、どんなふうに食卓へとつながっていくのか。どうぞ、お楽しみに。
ゼロの番人として、私はこれからも、この二つのわなと向き合いながら、地域を守り、命をいただいていきます。
ZEROSPHERE / ゼロの番人