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狩猟 / Hunter
2026.07.02 — 狩猟

汚名返上 イノシシはおいしい

前回、わなで捕らえた命は「きちんと解体すれば、とてもおいしい肉になる」と書きました。今日は、その"おいしい"の話を、もう少しだけ。イノシシ肉のことです。

じつは私、長いあいだイノシシを「おいしい」とは思っていませんでした。

祖父の、イノシシ

私が小さいころ、祖父が狩猟をしていました。だから、イノシシを食べる機会は、わりとありました。

でも、正直に言えば――それは「ただの肉」という感じで、特別おいしいとは思えなかったのです。子ども心に、そんな印象だけが残りました。

ずっと、こう思っていた

大人になってからも、イノシシ肉を口にする機会はありました。けれど、どこか少し、臭う感じがする。

「ああ、これがイノシシ特有の匂いなんだな」――そう自分を納得させて、長いあいだ過ごしてきました。イノシシとは、そういうものだと思い込んでいたのです。

「なんということでしょう」

ところが、です。

きちんと血抜きをして、ていねいにさばいたイノシシを食べたとき――正直、言葉を失いました。なんということでしょう。あの臭みが、まったくない。それどころか、上質な牛肉のような、豊かでおいしい肉だったのです。

これまで自分が「イノシシの匂い」だと思い込んでいたものは、いったい何だったのか。

臭いのは、肉のせいじゃなかった

そこで気づいたのです。イノシシが臭いのではない。臭くなるかどうかは、捕ったあとの「処理」で決まるのだ、と。

血抜きと、さばき。この一手間が丁寧であれば、イノシシはこんなにもおいしい。逆に言えば、あの"独特の匂い"は、肉のせいではなかったのです。

……ここで、反論を恐れずに言ってしまいます。イノシシを味噌仕立てにする「牡丹鍋(ぼたんなべ)」。あれはもしかして、味噌の力で臭みを消そうとしているだけなのでは……?(牡丹鍋ファンのみなさん、すみません。あくまで私の勝手な想像です)

すべて、生け捕りだから

じつは、私たちの狩猟チーム「HUNTER BASE ZERO」では、獲物をすべて"生け捕り"で捕らえています。

前に紹介した箱わなも、くくりわなも、どちらも生きたまま捕らえるわな。生きて捕らえるからこそ、その場でしっかりと血を抜くことができる。そして、ていねいにさばく。

この流れがあるから――言い切ってしまいます。私たちが手がけたイノシシに、おいしくない肉はありません。「臭い」も「クセ」も、生け捕りとていねいな処理が、まるごと解決してくれるのです。

イノシシの尊厳のために

だから私は、イノシシの名誉のために、はっきり言いたいのです。

イノシシよ、あなたはおいしい。

「臭い」「クセがある」という評判は、あなたのせいではありません。ちゃんと向き合い、ていねいに処理してもらえれば、あなたは上質なごちそうになる。それを、私は自分の舌で知りました。

ぜひ、食べてみてください

もし「イノシシはちょっと苦手」という方がいたら――それはきっと、まだ"ちゃんと処理されたイノシシ"に出会っていないだけかもしれません。

機会があれば、ぜひ一度、きちんと血抜きしてさばいたイノシシの肉を食べてみてください。きっと、私と同じように驚くはずです。

畑を守るために捕らえた命を、無駄にせず、いちばんおいしい形でいただく。それが、その命への、いちばんの敬意だと思います。

ゼロの番人として、私はこれからも、いただいた命と、まっすぐ向き合っていきます。

ZEROSPHERE / ゼロの番人

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