白い繭が、袋いっぱいに ― 晩秋、収繭と出荷
ようやく、この日を
10月17日。晩秋蚕は30日目、晩晩秋蚕は17日目です。
ようやく、晩秋蚕の収繭と出荷の日を迎えました。
10日以上、待ちました
上蔟から、10日以上がたちました。
蚕糸マニュアルによれば、収繭の適期は上蔟後6〜8日目。それより、ずいぶん長くかかったことになります。
朝晩の冷え込みが続いたこともあり、蚕はなかなか繭をつくってくれず、待つ日が続きました。
上蔟が早すぎて、蔟から落ちてくる蚕を何度も拾い上げた——あの日から、ずっと気がかりでした。「ゆっくりでもいいから」と書きながら、内心は落ち着きません。
暑さに悩まされた初秋とは逆に、晩秋は寒さとの勝負だったと思います。
それでも、まずは晩晩秋から
ただ——この日も、最初にするのは晩晩秋蚕の給桑です。
5齢になった晩晩秋蚕は桑が欠かせないので、まずはしっかり桑を与えてから、収繭作業に入りました。
こちらの都合で、蚕を待たせることはできません。 収繭という"ハレの日"でも、日課は日課。これが養蚕です。
作業場へ、運び出す
移しておいた蔟を作業場へ運び出し、ここからが本番です。
蔟を一つひとつ点検し、出来の悪い繭が混じっていないか確かめながら、収繭機にかけていきます。
写真をご覧ください。
回転蔟のマス目に、真っ白な繭がきれいに並んでいます。 ひとつひとつが、蚕が数日かけて吐いた糸のかたまり。
ちなみに——よく見ると、白い繭の中に、ひとつだけ黄色い繭が混じっていました。思わず目を引きます。
コンテナいっぱいに、たまっていく
そして——
蔟から外れた白い繭が、コンテナいっぱいにたまっていくのを見ると、思わず顔がほころびます。
空になった蔟が山のように積み上げられ、その足元には、青い網袋にぎっしり詰まった白い繭。 オレンジのコンテナにも、こんもりと。
初秋は、汚れが広がって収繭量が大幅に減り、約10kgでした。あのときの悔しさを思えば、この光景は格別です。
一か月の、集大成
9月18日の配蚕から、一か月。
毎日の採桑・給桑
石灰散布と網入れ
除沙
拡座
ここまで続けてきた作業の集大成です。
朝霧の中で桑を採った日。大雨の日。軽トラ2台分を運んだ日。深夜0時の給桑。6時間ぶっ通しの上蔟。
手のかかった分だけ、喜びもひとしおです。
そして、出荷
この繭を、無事に出荷することができました。
ここから繭は、製糸の工程へ進みます。選繭、煮繭、そして繰糸——この町が175年受け継いできた道筋です。
私たちが育てた繭が、伊予生糸になる。 そう思うと、感慨深いものがあります。
まだ、終わりではない
とはいえ、まだ終わりではありません。
蚕舎では晩晩秋蚕が5齢で、今もモリモリ桑を食べています。
全部そろって5齢になったのが14日。上蔟まで、あと少しです。
今年最後の養蚕、晩晩秋。
初秋の失敗も、晩秋の反省も、全部抱えて。晩秋の経験を生かして、最後までしっかり育てていきます。
ZEROSPHERE / ゼロの番人