一日、給桑なし― 晩秋養蚕10日目
晩秋養蚕、10日目
9月27日。晩秋蚕の飼育、10日目です。
昨日は、1群を桑止めして、2群にはしっかり給桑しました。館長の見立てで、1群のほうが先に眠に入りそうだったからです。
そして今日——2群の食いも落ちてきました。
つまり、2群も眠が近いということ。そこで、今日は2群も桑止めにしました。
二つの群が、そろって静かに
これで、1群も2群も、桑を止めた状態になりました。
蚕舎は、ぐっと静かです。
写真をご覧ください。食べ尽くされた葉と枝の上に、白っぽい蚕がびっしりと並んでいます。新しい桑は、ありません。
数日前まで「サーッという雨のような音」がしていた蚕舎が、今日は音を立てません。脱皮の準備に入った蚕たちが、じっとしている。 養蚕のなかでも、いちばん静かな時間です。
朝8時、館長の確認
朝8時、シルク博物館の密田館長に、蚕の様子を確認していただきました。
館長の見立ては、こうでした。
「5齢蚕もちらほらいるが、1群の桑つけも明日でいい」
桑つけ(くわつけ)とは、眠が明けた蚕に、最初の桑を与えること。つまり給桑の再開です。
すでに脱皮を終えて5齢になった蚕も、ちらほら出ている。けれど、まだ全体はそろっていない。 だから、桑つけは明日でいい——そういう判断です。
早く桑をつけすぎれば、まだ眠っている蚕のまわりに桑が残ってしまう。かといって遅すぎれば、起きた蚕を空腹で待たせることになる。このタイミングの見極めが、初秋のときにも書いた「熟練の技術が要る」部分です。
2年目の私たちには、まだ自信を持って判断できません。見ていただけることのありがたさを、また感じました。
今日は、給桑なし
そういうわけで——今日は1群、2群ともに給桑なしです。
採桑にも行きません。丸一日、桑に触らない日。
そして、都合のいいことに——外は大雨でした。
人間的にも、助かりました(笑)。
雨が降りそうな空を気にしながら採桑した日もありましたが、今日は最初から行かなくていい。9日連続で朝7時から動いてきた身には、ありがたい休みです。
蚕が休む日は、人も休む日。 よくできているものだと思います。
明日から、いよいよ5齢
そして、これからの段取りはこうです。
日 作業
明日の朝 1群を桑つけ
明後日の朝 2群を桑つけ
一日ずらして、それぞれの群に桑をつけていきます。
そして——いよいよ、5齢蚕の飼育が始まります。
5齢は、蚕の最終齢です。ここから先はもう眠がありません。ひたすら食べて、体を大きくして、そして熟蚕となり、上蔟へ。
蚕糸マニュアルによれば、蚕が一生に食べる桑の大半を、この5齢の一週間で食べる。初秋では4齢の時点ですでに桑が足りなくなり、夜に追加で採りに行きました。今回はその3倍、約37,500頭です。
畳20枚分の蚕座を用意したのも、新しい蚕座を組み立てたのも、すべてここからのため。
準備は、整いました。
ちなみに初秋も、10日目から5齢が始まりました。奇しくも、同じ進み方です。あのときは猛暑にやられましたが——今回は、いい繭を。
静かな一日が終われば、いよいよ本番です。
ZEROSPHERE / ゼロの番人