上蔟が早すぎた日― 晩秋18日目・晩晩秋5日目
今回いちばん、忙しい一日
10月5日。晩秋蚕は18日目、晩晩秋蚕は5日目。
この日は、今回の養蚕で一番忙しい1日になりました。
朝8時から、19時30分まで
晩秋養蚕では、朝8時に採桑、9時に給桑。
その後は——上蔟に向けて、蔟の組み立てです。そして13時から、1群の上蔟を開始しました。
上蔟は夕方まで続き、作業が落ち着いたのは19時30分ごろ。
その間にも、まだ上蔟を迎えていない2群には16時、そして24時にも給桑します。
写真をご覧ください。立てかけられた回転蔟がずらり。その前で、洗面器に入れた蚕を手に取り、足元には、緑の秤(はかり)。
以前も書きましたが、蚕は一頭ずつ数えるのではなく、重さで計ります。 蚕糸マニュアルにある「1組1,560穴の蔟に1,000〜1,200頭(約5kg)」——この適正量を守るために、秤が欠かせません。
晩晩秋も、同時進行
一方、晩晩秋蚕も同時進行です。
朝7時……網入れ給桑
13時……網上げ
17時……晩晩秋蚕を蚕舎へ運び、晩秋蚕と同じ場所で飼育開始
昨日3齢眠だった蚕が4齢になり、網で分けて、そして引っ越し。晩秋が上蔟して空いた蚕座へ、入れ替わるように入っていきます。
写真の二枚目は、その蚕舎。奥には運び込まれた条桑、手前には晩晩秋の蚕座が並んでいます。
つまり、この日は
一日のうちに、こんな作業が重なりました。
「蚕座を片付ける」
「上蔟した蔟を吊るす」
「まだ食べている蚕に桑を与える」
「晩晩秋蚕を新しい場所へ移す」
いくつもの作業を同時に進める一日でした。11時間半、動き続けたことになります。
そして、大きな反省
ここからは、正直に書きます。
今回、ひとつ大きな反省がありました。
1群は上蔟させましたが——少し時期が早かったようです。
まだ十分に熟蚕になっていない蚕が多く、なかなか繭をつくり始めてくれませんでした。
せっかく蔟に上がっても、かなりの数が下へ落ちてきます。
それを拾い上げて、もう一度蔟へ戻す。すると、また落ちてくる。拾っては戻し、拾っては戻し——まさに"いたちごっこ"です。
なぜ、待てなかったか
本来であれば、もう少し待ってから上蔟したかったところです。
けれど——次の晩晩秋蚕が控えており、飼育スペースや作業日程の関係で、大きくずらすことができませんでした。
昨日「1日遅れる見込み」と書きましたが、その一日が、そのまま響いた形です。他の農家さんではすでに上蔟が始まっている中で、こちらは待てなかった。
何日目か、ではなく
この経験から、あらためて実感したことがあります。
養蚕は「何日目だから上蔟」というだけではなく、やはり蚕そのものの状態をしっかり見ることが大切だということ。
初秋は17日目、晩秋は18日目。暦の上ではほぼ同じでも、蚕の中身は違っていた。 気温や、桑の質や、その年の条件で、成長のスピードは変わります。
「眠と起蚕の見極めには熟練の技術が要る」と館長から教わりましたが、熟蚕の見極めもまた同じでした。
次につながる経験として
うまくいったことも、うまくいかなかったことも、すべて次につながる経験です。
初秋は収繭約10kgという悔しい結果でした。そして今回は、上蔟のタイミング。毎回、違う課題が出てきます。
けれど——記録することの大切さについて書いたとおり、都合の悪いことこそ、書いておく価値がある。
今回の反省は、しっかり記録して、来年度の養蚕に生かしたいと思います。
晩秋養蚕も、いよいよ終盤。そして晩晩秋養蚕は、これから本格的な飼育が始まります。
ZEROSPHERE / ゼロの番人