ZEROSPHEREJOURNAL ← 一覧へ
観光 / Tourism
2026.07.15 — 観光

育てて、つなぐ ― どすこいパーク 菜園・林の広場

前回紹介したどすこいパーク 防災広場に続いて、完成した2つ目のエリア——「どすこいパーク 菜園・林の広場」を紹介します。三嶋神社の周辺に広がる、育てて未来へつなぐための場所です。

のむこう菜園 ― 高校生が耕す畑

まずは菜園。その名も「のむこう菜園」。この畑、なんと野村高校の生徒が管理しています。

いま植えられているのは、さつまいも。さつまいもは、野村小学校の子どもたちと一緒に育てていて、小学生と高校生が土に触れながら交流する、世代間交流の場になりました。大きいお兄さん・お姉さんと畑仕事——子どもたちにとって、忘れられない思い出になるはずです。

そしてもう一方の。これは、野村が養蚕のまちだからこそ。以前、野村高校の探究の授業では、桑入りのアイスやクッキーを作っていました。「これからも桑を使ったものを作りたい」——そんな思いから、シルク博物館が苗を提供し、この畑に植えられたのです。畑の桑が、いつか新しい野村のお菓子に育つ。そう思うと、緑の葉が頼もしく見えます。

林の広場 ―「ほんものの森」を、みんなの手で

もうひとつが林の広場。ここでは、「森のあるまちづくり」という取り組みが進んでいます。

2024年11月、地元の有志を中心に約150名が集まり、みんなで木を植えました。その数、合わせて725本。内訳は、シラカシ・アラカシなどの高木、ヤブツバキ・サンゴジュなどの亜高木、シャリンバイ・サザンカなどの低木——全26種です。

まだ植えたばかりで、どの木も小さく頼りなげ。けれど、これらは野村のまちの復興とともに、これから大きく育っていく苗木たちです。

40年の時を超えた、宮脇先生の教え

この植樹の方法は、「宮脇方式(みやわきほうしき)」と呼ばれます。世界的な植樹の権威、故・宮脇昭(みやわき あきら)横浜国立大学名誉教授が提唱したもので、その土地本来の樹種を狭い範囲に密集して植えるのが特徴です。木々がわざと競い合う環境をつくることで、地震・台風・洪水・干ばつにも耐える、強い「ほんものの森」が育つといいます。

実はこの宮脇先生、40年以上前、野村ダム周辺の植樹も指導されていました。かつて野村の山に木を植えた先生の教えが、時を超えて、いま復興のまちに受け継がれている——。そう思うと、この小さな苗木の一本一本が、いっそう愛おしく感じられます。

育てる畑と、育つ森。どすこいパークは、野村の未来そのものを育てる場所です。子どもも大人も、この土地の明日を、ここで少しずつ育てています。

ZEROSPHERE / ゼロの番人

関連する記事