標高1,400mの恵み ― 大野ヶ原のにんにく
なぜ、愛媛でにんにく?

四国カルスト高原にんにくをご存じでしょうか。
「にんにくの産地といえば?」と聞かれたら、多くの人が青森を思い浮かべるはずです。だから——「なぜ愛媛でにんにく?」と不思議に思われるかもしれません。
その答えは、西予市の地形にあります。
海抜0mから、標高1,400mまで
西予市は、実に特徴的な市です。海抜0mの海から、標高1,400mの四国カルストまで——ひとつの市の中に、これだけの高低差があるのです。
その最も高いところに位置するのが、大野ヶ原(おおのがはら)。四国カルストは、秋吉台・平尾台と並ぶ日本三大カルストのひとつ。愛媛と高知の県境に広がる、雄大な高原地帯です。
そして——ここが肝心。大野ヶ原の気候は、青森の下北半島とよく似ているのだそうです。冬には大雪が降ることも珍しくなく、季節ごとの寒暖差も大きい。これこそが、良いにんにくを育てる条件なのです。
さらに、大野ヶ原は酪農が盛んな地域でもあります。牛の堆肥が豊富にあり、それが土を豊かにする。「シルクとミルクのまち」の恵みが、こんなところにも生きているのです。
令和2年、新たな産業として

この気候に目をつけたのが、株式会社 祐(たすく)さんです。
令和2年(2020年)、大野ヶ原の新たな産業として、にんにく事業を立ち上げました。標高1,400mの高原を、農地として活かす——地域の可能性を見抜いた、見事な着眼点です。
🔗 株式会社 祐(たすく)
「生にんにく」
そして、私が毎年心待ちにしているのが——生にんにくです。
にんにくは通常、乾燥させて出荷されます。けれど生にんにくは、収穫の時期にしか手に入らない特別なもの。出回るのは6月下旬〜7月上旬のわずかな期間だけです。水分をたっぷり含んで、みずみずしい。にんにく本来の風味が、そのまま生きています。
毎年購入して、ありがたくいただいております。
一番のおすすめは、ホイル包み焼き

食べ方はいろいろありますが——私の一番のおすすめは、ホイル包み焼きです。
丸ごとアルミホイルに包んで、じっくり火を入れるだけ。シンプルですが、これが一番。
生にんにくは、もともと刺激が少ないのが特徴です。そこにゆっくり熱を加えると、にんにく特有のツンとした刺激がすっかり抜けて——ほくほくの食感と、凝縮したにんにくの旨みだけが残ります。ホイルを開いた瞬間の香り、そしてほろりと崩れる一片。これがもう、たまりません。
炭火のグリルで、肉や野菜と一緒に焼く。それだけで、贅沢な一皿になります。
標高1,400mからの、贈りもの
海から高原まで抱える、西予市だからこそ生まれた一品。大野ヶ原の風土が育てたにんにくを、ぜひ味わってみてください。
ZEROSPHERE / ゼロの番人