カイコを迎える準備 ― 蚕座づくりと消毒
8月15日、いよいよ初秋養蚕(しょしゅうようさん)が始まります。
前回、蚕舎の清掃と道具の手入れの話を書きました。今日はその続き——カイコを迎える「配蚕(はいさん)」に向けた、最後の準備です。
配蚕とは、蚕を受け取ること。西予市の養蚕では3齢から自分たちで飼うので、その日に向けて、カイコの住まいを整えておかなければなりません。
この日は、みんなで蚕座(さんざ)の組み立てと、蚕具・蚕舎の消毒を行いました。
蚕座を、組み立てる
蚕座とは、カイコが桑を食べ、育っていく"寝床"のこと。
写真を見てください。細長い鉄筋の台が、蚕舎の床にずらりと並んでいます。まずこの骨組みを組み立て、周りにパイプで枠を作っていく。かなりの長さがあります——これがすべてカイコの居場所になるのです。
そして、そこに青いネットを、ていねいに取り付けていきます。桑の葉と蚕を受け止め、通気を保つための大切な仕掛け。数人がかりで、端から端まで少しずつ。地味な作業ですが、この蚕座の出来が、カイコたちが元気に育つ環境を左右します。
消毒は、念入りに
もうひとつ、絶対に手を抜けないのが——消毒です。
以前も書きましたが、カイコは病気に弱い生きものです。特に恐ろしいのが核多角体病(膿病)。前の蚕期の病原菌が残っていると、次の蚕期がまるごと不作になることもあります。
だから、病気を持ち込まないために、徹底的に。背負い式の動力噴霧器を使って、蚕具はもちろん、蚕舎の壁や床まで念入りに消毒液を行き渡らせます。
蚕座が完成すると
そうして——蚕座が完成すると、いよいよ始まるという実感が湧いてきます。
青いネットが張られ、整然と並んだ蚕座。まだ、そこには何もいません。しんと静かな蚕舎。けれど数日後には、ここが小さな命でいっぱいになり、桑を食む音(まるで雨のような音がするんです)が響くことになる。
その"前夜"の静けさが、私はけっこう好きです。
暑い夏の、養蚕
正直に言えば、初秋蚕期は暑い時期の養蚕です。カイコは高温多湿に弱く、温度管理には神経を使います。決して楽ではありません。
それでも——カイコたちの成長を見守りながら、今年もきれいな繭ができるよう、みんなで力を合わせて取り組みます。準備を整えた蚕舎で待つのは、期待と、少しの緊張。
8月15日、カイコたちがやって来るのが今から楽しみです!
ZEROSPHERE / ゼロの番人