3齢の蚕がやってきた ― 初秋養蚕が始まりました
いよいよ、始まりまし
た
あと10日で、蚕がやってくると書いた、あの日から——いよいよ、初秋養蚕が始まりました。
蚕舎を洗い蚕座を組んで消毒して、静かに待っていた蚕舎に、ついに小さな命がやって来ます。
今年は、あえて0.5箱
今年の初秋、私たちはひとつの決断をしました。
飼育量を減らす——0.5箱と、少なめにしたのです。
理由は、はっきりしています。昨年の初秋は、生産が芳しくありませんでした。 おそらく原因は、暑さ。近年の夏は、蚕にとってあまりに過酷です。カイコは高温多湿に弱い生きもの。思うような繭にならなかった——そんな反省がありました。
だから今年は、数より質。0.5箱に絞って、じっくり育ててみようという判断です。
※ ちなみに「箱」とは、蚕種(蚕の卵)を数える単位のこと。正常卵2.5万粒で1箱なので、0.5箱ならおよそ1万2500頭。それでも、決して少ない数ではありません。
やって来たのは、3齢の幼虫
配蚕(はいさん)された蚕は、3齢幼虫です。
西予市の養蚕では、いちばん繊細な1〜2齢を蚕種会社さんが育て、3齢から私たちが引き受けます。とはいえ、3齢の蚕はまだまだ小さい。体長にして1cmほどでしょうか。
この小さな命を、やさしく広げていきます。密集していると蒸れて病気の原因になるので、ていねいに、蚕座いっぱいに散らしてやる。指先の感覚で、そっと。
桑も、できるだけ柔らかく
そして桑。3齢の蚕には、できるだけ柔らかい葉っぱを選んで与えます。
硬い葉は食べ残してしまうし、栄養も吸収しにくい。育つ段階に合わせて、桑も変えてやる——これが養蚕の基本です。いい桑が、いい蚕をつくる。桑畑を見に行き、若く柔らかい葉を選んで摘んでくる。手間はかかりますが、ここを惜しむわけにはいきません。
これから約20日間
3齢から始まって、4齢、5齢と脱皮を重ね、やがて熟蚕になって上蔟へ——この先、約20日間の旅が始まります。
毎日の桑やり、蚕座の掃除、温度と湿度の管理。暑い時期の養蚕は、決して楽ではありません。それでも、この小さな蚕たちが、真っ白な繭になる日を思うと——やっぱり、わくわくします。
大切に育てていきます。 今年こそ、いい繭を。
ZEROSPHERE / ゼロの番人