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地域づくり / Community
2026.08.22 — 地域づくり

大学のない町が、卒論になる日

野村を、卒論にしたい

大学のない田舎に、大学生がやってきた——以前、NEOのむらの活動をそう書きました。

その続きです。今度は、野村のことを卒論にしたいという学生が現れました。

大阪大学 人間科学研究科 4年生の、樋田奨悟(ひだ しょうご)くんです。

樋田くんは、1年生のときからNEOのむらで活躍してきました。まじめで実直——そんな印象の学生です。その彼が、まさか野村をテーマに卒論を書くとは。嬉しさと驚きが入り混じった気持ちになりました。

半年、野村に住んだ

樋田くんは、今年の3月末から野村に滞在しました。

ただ通ってくるのではありません。住んだのです。

朝霧湖マラソンの事務、エントハウス、そしてHATCH BASE ZERO——さらにアルバイトもしながら、野村で暮らし、研究を進めていました。

まじめで実直なイメージそのままに、柔軟性とユーモアも兼ね備えている。もちろん現役の大学生ですから、頭の回転も業務スピードも速い。そのうえ——酒も強い(笑)。野村で生きていくには、これ以上ない資質かもしれません。

養蚕も、1クールまるまる

HATCH BASE ZEROの活動では、春の養蚕を一クールまるまでやり遂げました。

掃立から上蔟まで、養蚕は約一か月。毎日の採桑と給桑、蚕座の掃除、そして回転蔟への上蔟。決して楽な作業ではありません。それを、最初から最後まで。

写真の一枚は、蚕室で回転蔟に向かう樋田くんの姿です。今もしばしば、養蚕を手伝ってもらっています。

イベントにも、地区の集まりにも

多くの大学生が野村に関わってくれるだけでも、本当にありがたいことです。

けれど樋田くんは、そこからもう一歩踏み込みました。半年近く滞在して、地元の人と交流し、さらにイベントや地区の集まりにも積極的に参加する。

観察者としてではなく、この町で暮らす一人として関わってくれた。だからこそ、見えたものがあったのだと思います。

「野村の独り言」

研究の一環として、「野村の独り言」という集まりが開かれました。

野村で活動していく中で、樋田くんはあることに気づいたそうです。地元では当たり前の会話が、新鮮だったり、不思議だったり、パワーワードだったりする、と。

ホワイトボードには、こんな言葉が並んでいました。

・ちーと、やるかは、ちーとじゃない

・今日ないん? 帰る人を、引き止める

・野村の、何が面白いん?

・何も、ないけど、人情いっぱい

・朝、カーテン開けたら、きれいすぎです

・立ち会い、サシアイ、みな支え合い

さしあいのことも、こうして外から見ると、確かに独特な文化なのだと気づかされます。

樋田くんらしい、とてもアットホームで、みんなが積極的に意見交換できる集まりになりました。

卒論、がんばってね

この8月末で、野村の滞在は終了。これからは大阪大学に戻って、卒論に取り組まれます。

内容はこれからなので、ここでは触れません。けれど——とてもいいものになることは、間違いないと思っています。

ここまで野村に深く入り込んで卒論を書いたのは、樋田くんが初めてでしょう。半年暮らし、養蚕をやり、祭りに出て、地元の人と飲んで、そして言葉を拾い集めた。そこから何が生まれるのか、楽しみでなりません。

大学のない野村で、大学生が活動している。 これは、とても貴重なことです。その積み重ねの先に、こうして一本の卒論が生まれようとしている——地域づくりの、ひとつの実りだと思います。

樋田くん、卒論がんばってね。そして、これからもよろしくね。

ZEROSPHERE / ゼロの番人

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