わな猟の始め方 完全ガイド ― 免許から解体まで
「わな猟を始めてみたい」——そう思ったとき、何から手をつければいいのか。免許は?道具は?どうやって仕掛けて、捕れたあとはどうするのか。
このページは、ZEROSPHEREのわな猟に関する記事を、始め方の順番に並べたガイドです。愛媛県西予市野村町で、実際にわなを仕掛け、イノシシと向き合ってきた記録をもとにしています。気になるところから読んでみてください。
STEP 0:なぜ、わな猟をするのか

技術の前に、まずここから。なぜ獣を捕るのかという土台がないと、狩猟にはなりません。
▶ 狩猟を始めた理由
仲間と育てた田んぼ、そして近所の子どもたち。守りたいものがあったから、免許を取りました。勇ましい理由ではありません。
全国の農作物被害は年間約188億円。西予市では約3,700万円。数字は、感情よりまっすぐに現実を映します。
STEP 1:狩猟免許を取る
わな猟をするには、まず免許が必要です。

・狩猟免許は4種類(わな猟・網猟・第一種銃猟・第二種銃猟)
・わな猟免許なら、申請書・写真・医師の診断書などを揃えて県へ
・試験は3つ(知識・適性・技能)
・初心者講習会は受けておくと安心
STEP 2:道具を知る
わな猟の道具は、大きく二つです。

箱わな=平らな場所ならどこでも置ける。群れを一網打尽にできるが、構造物なので警戒されやすい。
くくりわな=獣道の一点を狙う。用心深い成獣も獲れるが、場所の見極めが難しい。
どちらも生きたまま捕らえるわなです。この違いを知ることが、第一歩です。
STEP 3:わなを仕掛ける
いよいよ現場へ。それぞれに、まったく違うコツがあります。
獣道の見分け方、体こすりの跡、蒐場(ぬた場)。そして根付の木の選び方(強度・抜けない・絡まらない)。仕掛けたあとは、雨が味方になります。
▶ 箱わな設置のコツ

蹴り糸式トリガーの仕組み、設置場所の選び方(運び出しやすさが命)。警戒されるので、気長に待つのが鉄則です。

トレイルカメラで「いつ・どこに・何頭来ているか」を知る。勘と経験に、データが加わります。
STEP 4:見回りと、捕獲
わなを仕掛けたら、毎日の見回りが日課になります。
▶ 見回りと取り込み
かかった予兆の読み方、オスの牙・メスの噛みつきへの警戒、かかり具合の確認(くるぶしまで/爪先だけ)。そして鼻取り→口→目→四肢という保定の手順。
▶ いきなりの猛突進

初めての一頭。あの突進は、今も忘れられません。
▶ かかった、けれど
猛暑で弱っていたイノシシ。武勇伝ばかりではない、淡々とした現場の記録です。
STEP 5:命を、いただく
捕らえて終わりではありません。ここからが本番です。
▶ 止め刺しと血抜き
生きたまま捕らえるからこそ、その場でしっかり血を抜ける。この一手間が、肉の味を決めます。
▶ 解体という仕事
毛皮の下のあたたかさ。一頭を無駄なくさばくということ。
▶ 汚名返上
「イノシシは臭い」——それは肉のせいではありません。ていねいな処理をすれば、上質な牛肉のような味わいになります。
STEP 6:体験してみる
読むだけでなく、実際にやってみたい方へ。
座学 → わなの仕掛け方 → 現場での見回り・設置 → 解体、そしてジビエBBQ。一日で、狩猟が一本の線につながります。
わな猟は、「守ること」と「いただくこと」
畑と暮らしを守るために、命を捕る。そして、その命を余さずいただく。
「守ること」と「いただくこと」は、別々ではありません。一本の線でつながった、ひとつの営みです。
これから始める方の、参考になればうれしいです。山と、まっすぐ向き合ってください。
ZEROSPHERE / ゼロの番人